罠のこと
母の友人と三人で海で思いっきり遊んでいました。
あんなにはしゃいでいるのだから、掘ってるのは見てるはずがないと私は心の中でそう思っていました。
頭の中での成功する確率は9割以上でした。
なぜならA子さんは、いつも同じところに座る癖があったからです。
というよりもそこにしかすわらないのです。
A子さんが戻ってきた時、怪しまれないようにねたフリをしました。
しかし、耳に聞こえたのは落とし穴に落ちるどさっとした音ではなく、静かな音でした。
目を開けてみると、A子さんは別のところに座っていました。
A子さんがまるで罠のことを知ってるとしか思えない行動をとったのです。